乗り心地っていったいなんだろう?
前の記事でFIAT500の乗り心地を表すのになんか矛盾を感じるなぁと思って、この矛盾はなんだろう?と考えてみると.
”乗せられている人”の乗り心地と
”運転している人”の乗り心地は違うみたいだ、
と言うことはなんとなく分かった。
同乗者の乗り心地は”おもてなし型”の乗り心地という感じで、揺れや振動などの不快感が出来るだけ少ないってことのようだし、運転している人の乗り心地は、運転のしやすさ、車を意のままに操れる一体感になるのだろう。
日本車はどちらかと言うと”おもてなし型”の同乗者の乗り心地を優先して作られているイメージがあるのは私だけではないと思う。会社の車やファミリーカーは運転者よりは一緒に乗っている上司や家族が快適であれば運転者の快適性は”そこそこ問題のない範囲”であればOKな感じを今回FIAT500に乗ってみて実感した。
しかし海外、特に欧州車は運転者の快適性を優先しているように感じる。ひとりで車に乗ることもあるわけだし、車と一緒に過ごしている時間が一番長いのは運転手なのだから、運転する人を一番に考えるのは当たり前なのかもしれない。両方の快適性を同時に叶えられれば良いけれど、どちらか優先しないといけないときの選択の仕方に国民性を感じてしまう。
話はそれるけれど、日本人は人の為に自分が何かを耐えることを美徳的に感じるところもあるけれど(嫌いじゃないです)、最近は「自分が幸せじゃないのに他人を幸せになんて出来ない、自分が楽しくないのに他人を楽しませることが出来るの?」という考え方が主流になりつつあるのでは?むしろそうゆう考え方が国際スタンダードな気もしてくる。
ネットで記事を読んでいると、日本車も欧州に輸出される車はそちら向けのセッティングがされているらしい。広大なヨーロッパの高速道路を長時間移動する環境の違いもあるようで、高速での快適性が高ければ街中での多少の乗り心地の悪さは気にしないと言う感覚らしい、まるでレーシングカーみたい。レース中(高速道路)の車の性能が良ければピット(街中)でガタガタしてもあまり気にしないという感じだろうか?そう考えるとちょっとかっこいい。
乗り心地の種類は何がある?
「乗り心地」は何なのか、三栄書房が2003年に発売した自動車大辞典「大車林」によると。
乗り心地は、室内空間、シートの座り心地、視界、空調、振動、騒音などを含めた総合的な感じとして広く捉えることもある。
としている。なるほど乗り心地と言ってもいろんな要因があって、運転者と同乗者が共通で快適と言える項目(室内空間、シートの座り心地)もあれば、必ずしも両立しない項目(視界、空調、振動、騒音)もあるんだな、と思った。
さらにこの辞典では振動についても”ピッチ(縦揺れ)”や”ロール(横揺れ)”もっと専門的な、ジャダー、突き上げ、バウンシング、低周波、などなど専門用語の説明にまで及んでいて「車の研究ってすごい!」と感動させられてしまう。
視界についてだけちょっと。
上の引用文中の”視界”については、窓の大きさもあるけれど車高がかなり影響していると思う。背の低い車は走行性は安定しているけれど景色は悪い。特に高速道路では大体高さ1mちょっとの壁がずっと続いているので見える景色が限られてしまう。
背の低い車で高速道路を走ると景色はずっと”壁”のままだ。バイトでトラックに乗って高速道路を走ることがあったが、この時景色の雲泥の差に感動すらした。「そんなに変わるものか?」と思うかもしれないが、単調な景色より見晴らしが良い方が断然眠くならないし精神的にも圧迫感がなくて気持ちが良い。もちろん筆者の住んでいる田舎でも空と山しか見えないよりは川や町の様子が見えた方が運転していても楽しい。
若いとき営業マンで1人で走り回っていた時は車高は低くても気にならなかったが、今は家族で出かけるなら、景色の良く見える車高の高い車の方が良いと思ってしまう。
だから贅沢(ぜいたく)感があるんだね。
私はまだ初めての欧州車でその魅力が分かり始めたところだけど、長年の欧州車ファンには当たり前のことなのかもしれないが、欧州車の魅力はこの運転手優先のセッティングなのかな?と思った。走りに重点を置いた車を運転する幸せ、自分一人か、助手席にもう一人、一緒に走りを楽しむ仲間とドライブするのは贅沢な時間だ。先日子供達を置いて(もう親とは出かけたがらない年頃)妻と2人で往復約100kmのショッピングドライブに出かけた。運転も交代で楽しみながら走ってきた。ファミリーカーの他に、もう一台車を持つとき、ドライバーの楽しみを優先するという見方の選択方法はいいんじゃないかな?
チンクエチェントラウンジはガラスルーフがあってかなり視界を稼いでいますね。。。
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FIAT500ラウンジのガラスルーフ。 |
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